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国鉄ト20000形貨車は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した無蓋貨車である。 == 概要 == 1933年(昭和8年)から1940年(昭和15年)にかけて、汽車製造、川崎車輛、田中車輛、新潟鐵工所等で製造された、10トン積み二軸無蓋車で、無蓋車としては初の鋼製車である。製造数は7,377両(ト20000 - ト27376)で、その後に富山地方鉄道(旧富岩鉄道)買収車が3両編入されたことから、最終番号はト27379となった。従前は、17トン積みのトラ1形が1931年(昭和6年)まで製造されていたが、昭和恐慌にともない小口輸送の需要が高まったこと、また明治・大正期に製造された10トン積み無蓋車(ト1形等)が老朽化により多数が廃車されたことから、その補充として製造されたものである。 車体寸法は、5.5m長の鋼材や3間物の木材を積載できるよう、荷台内法長を従前の標準型であったト1形に比べて155mm延長して5,600mm、幅も車両や機械を積載しやすいよう250mm拡大して2,400mmとしたため、床面積は13.4m²に拡大された。その一方で、容積は営業上の理由からト1形と同じ9.3m³にしたため、あおり戸高さは590mm、妻板高さは890mmに低められた。それでも、石炭荷重〔石炭のように比重の小さい嵩高貨物を積載する際に一般貨物の場合とは別に定められたの荷重のこと。〕はト1形の8トンから10トンに増加している。 あおり戸と妻板は防錆性の高い3.2mm厚の含銅鋼板製とされ軽量化のため一部を溶接構造としたが、床板は厚さ60mmの木製であった。これは、機械等の転動防止の容易化のためである。側板は総あおり戸式で、あおり戸はト1形と同じく一枚ものであったが、重量が大きく荷役には不便であったため、戦後の更新で構造が大きく変更される原因となった。あおり戸の蝶番は、1934年(昭和9年)度製までの初期型では片側5箇所(1,400mm間隔)であったが、1935年(昭和10年)度製以降製造車では片側6箇所(1,100mm間隔)に増加されて形態が変わった。さらに1937年(昭和12年)度以降製造車では車票挿しの位置が変更されている。また、あおり戸上縁の補強は、幅方向に魚腹形とされている。 台枠構造については、トラ1形では側梁の腐食が問題となったことから、本形式では側梁を同形式よりも強化したが、その分の重量増を吸収するため、中梁の寸法を小さくしている。それにともない、自動連結器の緩衝器のスペースが不足したため、該部の床板は鋼板製とされている。 その他の主要諸元は、全長6,906mm、全幅2,590mm、自重6.7tである。下回りは軸距3,000mmで、軸ばね受けはシュー式となっており、最高運転速度は65km/hである。 本形式は、トラ4000形、トラ5000形と続く戦前製鋼製無蓋車の嚆矢となった。1948年度末には7,207両が在籍していたが、戦時中の酷使により鋼板製車体の傷みがひどくなったため、戦後の1952年(昭和27年)度から1955年(昭和30年)度にかけて更新修繕の対象となり、鋼製部を木体化してト1形(2代)に改称され、1959年(昭和34年)度に形式消滅となった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「国鉄ト20000形貨車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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